kokikuのロゴ誕生秘話

kokikuのロゴ誕生秘話

2018.09.28

kokikuブランドが誕生して14年。ブランドの顔とも言えるロゴを製作して下さった笹川寛司さんより、ロゴ製作当時の貴重なお話をお伺いしました。

【kokikuロゴ制作について】
このロゴは、2004年に新しく「kokiku」ブランド(「kokiku」は創業者白須虎鬼狗さんのお名前。現社長の御曽祖父様にあたります。)を立ち上げることになった際にお手伝いをさせていただいたものです。早いもので、すでに14年の歳月が流れたことになります。

当初ロゴ制作にあたって、リクエストされたことは「アルファベット表記“kokiku”だけでなく、漢字表記“虎鬼狗”を取り入れて欲しい」ということだけで、それ以外に具体的な注文はほとんど無かったと記憶しています。だから、デザインのスタート段階では、どこから手をつければ良いのかが分からなくて実は困ってしまいました。

「漢字表記を取り入れて欲しい」というリクエストには、「漢字表記をすることによって、言葉の音だけでなくて漢字が持つイメージ等も付加したいから」という意図が当然あったと思いますが、これだけではクライアントの要求をきちんと理解したとは言えないと思っていましたし、このままではなかなかデザインは前に進まない。

そんな時、素晴らしい機会が訪れました。山梨県のご自宅に招かれ、前社長やご家族とゆっくりとお話をすることができたのです。それまで富士新幸株式会社創業の経緯について大まかには知っていたつもりでしたが、やはり創業の土地で生の声を聞くことはデザインの方向性を探る上でとても貴重な情報源です。色々お話をうかがっていると、みなさんが創業者の生み出したお仕事に対して大きな誇りを持ち、一致団結していることが私の印象に強く残りました。そこで、新しい「kokiku」ブランドのロゴには「創業者白須虎鬼狗のものづくりや仕事に対する精神性が表現されること」が大切な要素のひとつではないかと考えるにいたったのです。

『創業90年の節目に誕生する「kokiku」ブランドは、創業者の名を冠することで今まで培ってきた真摯なものづくりへの姿勢を大切に守っていくことはもちろん、未来に向けた新しいチャレンジを積極的に行っていく』
最終的には、このようなコンセプトをもとにロゴ制作を行いました。今日までの14年の間、このロゴが「kokiku」ブランドの前進に少しでもお役に立てていれば制作者として喜ばしい限りですし、これからも「kokiku」ブランドの製品とともに歴史をさらに積み重ねていって欲しいと願っています。

笹川寛司_顔写真

【笹川寛司氏 プロフィール】
1973年新潟県生まれ。1998年から2003年までは、ミラノの建築デザイン設計事務所に勤務し、フィアットのブースやショールーム、その他多数のプロダクトデザインに携わりました。帰国後は北海道の東海大学でデザインを教えながら、「デザイン・食・豊かさ」をキーワードにしたデザインプロジェクトを行っています。私たちのくらしをより豊かにするために、デザインはどのような新しい視点を持つことができるのかについて興味を持っています。

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